山陽小野田市に在住する前期高齢者における社会的ADLと食生活及び健康状態との関連について:3年後の追跡調査を通して
前報では,山口県山陽小野田市に在住する65歳から74歳の高齢者を対象とした食生活,栄養状態,身体機能,認知機能に関する2020年度実態調査1)を行った.本研究の目的は,3年後の追跡調査として,2020年度以降の社会的ADLの変化が,3年後の前期高齢者の食生活や健康状態とどのように関連するのかを明らかにすることである. 対象者は,2020年度に引き続き2023年度に山陽小野田市が実施した集団健診で特定健康診査(以下「特定健診」という.)を受けた前期高齢者49人であり,基本情報と主観的健康感,健康に関する意識調査,栄養調査,特定健診結果(血圧,血液検査など)の経年変化を,社会的活動の状況別で吟味し...
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Published in | 山口医学 Vol. 74; no. 1; pp. 11 - 22 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
山口大学医学会
28.02.2025
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Subjects | |
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Summary: | 前報では,山口県山陽小野田市に在住する65歳から74歳の高齢者を対象とした食生活,栄養状態,身体機能,認知機能に関する2020年度実態調査1)を行った.本研究の目的は,3年後の追跡調査として,2020年度以降の社会的ADLの変化が,3年後の前期高齢者の食生活や健康状態とどのように関連するのかを明らかにすることである. 対象者は,2020年度に引き続き2023年度に山陽小野田市が実施した集団健診で特定健康診査(以下「特定健診」という.)を受けた前期高齢者49人であり,基本情報と主観的健康感,健康に関する意識調査,栄養調査,特定健診結果(血圧,血液検査など)の経年変化を,社会的活動の状況別で吟味した. その結果,(1)2020年度と比較して,2023年度では,社会的ADL指標が満点の人が51.0%から61.2%と10.2%増加した.(2)社会的ADLと主観的健康感には相関関係があった.(3)社会的活動良好群は不良群と比較して,健康意識が高く,栄養素や食品摂取量の増加が見られたが,血液データは社会的活動良好群不良群ともに検査数値が悪化していた. 社会的活動に積極的な人は,主観的健康感や健康に対する意識が高く,栄養素や食品摂取量が増加していた.高齢者の低栄養を予防し,健康の維持増進のために社会的活動の必要性が示唆された. |
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ISSN: | 0513-1731 1880-4462 |
DOI: | 10.2342/ymj.74.11 |