モルモット肺肥満細胞、末梢血中総白血球・好酸球、脾臓および胸腺リンパ球に及ぼす飼料油脂中n-3/n-6脂肪酸比率の影響

『はじめに』 I型アレルギーにおいては症状の悪化に伴い, 抗原の体内侵入時に抗原に対する抗体産生はもちろん, 肥満細胞(MC)数1)2)や好酸球数3)4)等の免疫担当細胞の増加に代表される免疫応答の起こることが認められている. また, MCは抗原に接触した時, 血管壁の拡張や白血球の遊走, 平滑筋の収縮等の症状を引き起こすロイコトリエン(LT)やヒスタミン等のケミカルメディエーターを放出することが知られている5). その中でもLTはMCの膜リン脂質(PL)に存在するアラキドン酸(AA n-6)もしくはエイコサペンタエン酸(EPA n-3)を基質として生成される6). また, AA由来のLT4系...

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Published in脂質栄養学 Vol. 19; no. 1; pp. 93 - 102
Main Authors 印南, 敏, 桑守, 正範, 田所, 忠弘, 前川, 昭男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脂質栄養学会 2010
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ISSN1343-4594
1883-2237
DOI10.4010/jln.19.93

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Summary:『はじめに』 I型アレルギーにおいては症状の悪化に伴い, 抗原の体内侵入時に抗原に対する抗体産生はもちろん, 肥満細胞(MC)数1)2)や好酸球数3)4)等の免疫担当細胞の増加に代表される免疫応答の起こることが認められている. また, MCは抗原に接触した時, 血管壁の拡張や白血球の遊走, 平滑筋の収縮等の症状を引き起こすロイコトリエン(LT)やヒスタミン等のケミカルメディエーターを放出することが知られている5). その中でもLTはMCの膜リン脂質(PL)に存在するアラキドン酸(AA n-6)もしくはエイコサペンタエン酸(EPA n-3)を基質として生成される6). また, AA由来のLT4系はEPA由来のLT5系に比べて, 生理活性が10 2~10 3倍強いことが知られている7). Hashimotoら7)はシソ油を投与したラット好中球から誘導されるLTは, サフラワー油投与群に比べて, LT4系の生成が減少し, 替わってLTB5系が生成されるようになったと報告している.
ISSN:1343-4594
1883-2237
DOI:10.4010/jln.19.93