食品の異臭クレームにかかわる検査

2007年,2008年,食品業界では大きな事件が続いて発生した.2007年には,大手洋菓子メーカーによる消費期限切れの原材料の使用,食肉加工メーカーによる表示偽装,有名菓子メーカーによる表示偽装,老舗和菓子メーカーによる表示偽装,そして2008年には,中国製冷凍ギョーザへの農薬の混入,中国製乳製品へのメラミンの混入,汚染米の流通,食品への防虫剤や溶剤の臭い移りなどの事件が相次いだ.このような事件がマスコミに取り上げられるたびに,消費者への食品に対する関心が高まり,その結果,食品に対するクレームが増加する.その中でも異物,異臭に対するクレームは最も象徴的なものである.本稿では,食品の異臭クレーム...

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Published inにおい・かおり環境学会誌 Vol. 41; no. 6; pp. 384 - 395
Main Authors 川浦, 知子, 小林, 政人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 におい・かおり環境協会 25.11.2010
におい・かおり環境協会
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Summary:2007年,2008年,食品業界では大きな事件が続いて発生した.2007年には,大手洋菓子メーカーによる消費期限切れの原材料の使用,食肉加工メーカーによる表示偽装,有名菓子メーカーによる表示偽装,老舗和菓子メーカーによる表示偽装,そして2008年には,中国製冷凍ギョーザへの農薬の混入,中国製乳製品へのメラミンの混入,汚染米の流通,食品への防虫剤や溶剤の臭い移りなどの事件が相次いだ.このような事件がマスコミに取り上げられるたびに,消費者への食品に対する関心が高まり,その結果,食品に対するクレームが増加する.その中でも異物,異臭に対するクレームは最も象徴的なものである.本稿では,食品の異臭クレームに関する検査について紹介するとともに,公開されている情報をもとに模擬試料を調整し,解析を行った事例を紹介する.
ISSN:1348-2904
1349-7847
DOI:10.2171/jao.41.384