成人就労女性におけるEating Attitudes Test-26を使用した摂食障害傾向の有症率と関連要因

「I. 緒言」日本では, 痩せの女性が増加している. 平成22年国民健康・栄養調査によると, 20代女性の痩せ(BMI(18.5kg/m2)の割合は, 29%と高度成長期から漸増傾向にある. 30代女性については, 痩せの割合が14%と横ばいの状況が続いている. この状況を受け, 厚生労働省は健康日本21で20代女性のやせ(BMI<18.5kg/m2)の割合を15%以下にするという目標を掲げたが, 改善の兆しは見られない. 成人女性の痩せは, 低体重による月経停止, 骨粗鬆症, 抑うつや不全感, さらに生活習慣病(成人病胎児期発症説)等との関連が指摘されており, 成人女性の痩せへの保健指...

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Published in日本衛生学雑誌 Vol. 70; no. 1; pp. 54 - 61
Main Authors 上原, 美穂, 榊原, 久孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本衛生学会 01.01.2015
日本衛生学会
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Summary:「I. 緒言」日本では, 痩せの女性が増加している. 平成22年国民健康・栄養調査によると, 20代女性の痩せ(BMI(18.5kg/m2)の割合は, 29%と高度成長期から漸増傾向にある. 30代女性については, 痩せの割合が14%と横ばいの状況が続いている. この状況を受け, 厚生労働省は健康日本21で20代女性のやせ(BMI<18.5kg/m2)の割合を15%以下にするという目標を掲げたが, 改善の兆しは見られない. 成人女性の痩せは, 低体重による月経停止, 骨粗鬆症, 抑うつや不全感, さらに生活習慣病(成人病胎児期発症説)等との関連が指摘されており, 成人女性の痩せへの保健指導は, 女性の一生涯を支援することになるのみならず次世代の健康増進に繋がる重要な課題であり, 急務であると考えられる. 痩せは, 神経性無食欲症(anorexia nervosa:AN)と深い関連があることが明らかとなっている.
ISSN:0021-5082
1882-6482
DOI:10.1265/jjh.70.54