胃過形成性ポリープからの多量出血により吐血をきたした1例

症例は83歳,女性。下肢の慢性動脈閉塞症でチクロピジンを内服していた。吐血したため救急要請し,当院へ搬送された。緊急上部消化管内視鏡検査では,胃内には多量に血液が貯留し,胃体下部大彎に横径6mm,全長10mmの有茎性ポリープがあり,頂部から噴出性に出血していた。内視鏡的粘膜切除術(Endoscopic mucosal resection,以下,EMR)を施行し,ポリープを切除した。入院後は経過良好で入院から7日後に退院となった。病理組織学的には切除した胃ポリープは過形成性ポリープであり,悪性所見は認めなかった。胃過形成性ポリープからは吐血をきたすほどの多量出血を起こすことがあるため注意が必要で...

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Bibliographic Details
Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 70; no. 2; pp. 146 - 149
Main Author 高橋, 幸治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2021
日本農村医学会
Subjects
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.70.146

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Summary:症例は83歳,女性。下肢の慢性動脈閉塞症でチクロピジンを内服していた。吐血したため救急要請し,当院へ搬送された。緊急上部消化管内視鏡検査では,胃内には多量に血液が貯留し,胃体下部大彎に横径6mm,全長10mmの有茎性ポリープがあり,頂部から噴出性に出血していた。内視鏡的粘膜切除術(Endoscopic mucosal resection,以下,EMR)を施行し,ポリープを切除した。入院後は経過良好で入院から7日後に退院となった。病理組織学的には切除した胃ポリープは過形成性ポリープであり,悪性所見は認めなかった。胃過形成性ポリープからは吐血をきたすほどの多量出血を起こすことがあるため注意が必要であり,緊急内視鏡検査時にはEMRができる体制を整えておくことが望ましい。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.70.146