変形性膝関節症外来患者の片脚立位におけるHAT 運動戦略と骨盤周囲筋の関係

「要旨」:本研究は変形性膝関節症(膝OA)患者の運動機能改善の指標を明らかにするために, 骨盤運動戦略およびHead・Arm・Trunk(HAT)運動戦略と骨盤周囲筋力の関係を検討した. 対象は, 膝OA外来患者14名で, 11名は両肢を3名は片肢を評価した. 方法は, 片脚立位動作を前額面上の写真から肩峰, 体幹傾斜および股関節内転角度で骨盤運動とHAT運動戦略に分類し, 中殿筋, 大殿筋および股関節内転筋の最大等尺性収縮を比較した. その結果, HAT運動戦略は, 立脚肢の中殿筋の筋力が有意に低下していること, 体幹および肩峰傾斜角度と中殿筋の間に負の相関を認めた. 歩容でHAT運動戦略が...

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Published inヘルスプロモーション理学療法研究 Vol. 6; no. 1; pp. 23 - 28
Main Author 吉永龍史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ヘルスプロモーション理学療法学会 01.04.2016
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Summary:「要旨」:本研究は変形性膝関節症(膝OA)患者の運動機能改善の指標を明らかにするために, 骨盤運動戦略およびHead・Arm・Trunk(HAT)運動戦略と骨盤周囲筋力の関係を検討した. 対象は, 膝OA外来患者14名で, 11名は両肢を3名は片肢を評価した. 方法は, 片脚立位動作を前額面上の写真から肩峰, 体幹傾斜および股関節内転角度で骨盤運動とHAT運動戦略に分類し, 中殿筋, 大殿筋および股関節内転筋の最大等尺性収縮を比較した. その結果, HAT運動戦略は, 立脚肢の中殿筋の筋力が有意に低下していること, 体幹および肩峰傾斜角度と中殿筋の間に負の相関を認めた. 歩容でHAT運動戦略がみられた場合は, 片脚立位の評価を加えることで, 中殿筋の弱化傾向を推測できる可能性がある. 「I. はじめに」内側型変形性膝関節症(以下, 膝OA)は, 関節軟骨の退行性変化を基盤として, 疼痛や関節可動域制限などの関節機能の障害を来す疾患である.
ISSN:2186-3741
DOI:10.9759/hppt.6.23