嗅覚の細胞分子生物学

2004年,嗅覚受容体の発見と嗅覚システムの機構に対して,リチャード・アクセル博士とリンダ・バック博士がノーベル生理学・医学賞を受賞した.このニュースは嗅覚研究分野を刺激しただけではなく,嗅覚研究が科学的にも高い水準にある分野だと判断されたことも明示した.しかし,この分野では未だ多くの問題が取り残されている.この項では,嗅細胞シリア(繊毛)における嗅覚情報伝達に関する,イオンチャネルの種類や特性,情報伝達因子の制御や修飾,単一繊毛内でのセカンドメッセンジャー分子の同定や動向に関する業績を紹介させて戴きたい....

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Published inにおい・かおり環境学会誌 Vol. 41; no. 2; pp. 82 - 91
Main Authors 倉橋, 隆, 竹内, 裕子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 におい・かおり環境協会 25.03.2010
におい・かおり環境協会
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Summary:2004年,嗅覚受容体の発見と嗅覚システムの機構に対して,リチャード・アクセル博士とリンダ・バック博士がノーベル生理学・医学賞を受賞した.このニュースは嗅覚研究分野を刺激しただけではなく,嗅覚研究が科学的にも高い水準にある分野だと判断されたことも明示した.しかし,この分野では未だ多くの問題が取り残されている.この項では,嗅細胞シリア(繊毛)における嗅覚情報伝達に関する,イオンチャネルの種類や特性,情報伝達因子の制御や修飾,単一繊毛内でのセカンドメッセンジャー分子の同定や動向に関する業績を紹介させて戴きたい.
ISSN:1348-2904
1349-7847
DOI:10.2171/jao.41.82