浸潤性胸腺腫合併重症筋無力症クリーゼに対しエクリズマブが有効であった1例

症例は40歳男性である.2015年に浸潤性胸腺腫,重症筋無力症(myasthenia gravis,以下MGと略記)と診断された.2016年,2017年にそれぞれ浸潤性胸腺腫の増大に伴いMGが増悪するエピソードがあった.2018年に胸腺腫の増大に対し化学療法を施行され胸腺腫は縮小した.2か月後,高度の球麻痺と呼吸筋麻痺を伴うクリーゼが出現した.高用量のステロイドや単純血漿交換,免疫グロブリン大量静注療法を行ったが症状の改善を認めなかった.エクリズマブ投与後に軽微症状まで改善した.浸潤性胸腺腫合併MGでのクリーゼに対するエクリズマブの有効性を示した初めての報告である....

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Published in臨床神経学 Vol. 60; no. 12; pp. 865 - 868
Main Authors 渡邊, 将平, 笠間, 周平, 吉積, 一樹, 武田, 正中, 木村, 卓, 右近, 紳一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2020
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-001483

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Summary:症例は40歳男性である.2015年に浸潤性胸腺腫,重症筋無力症(myasthenia gravis,以下MGと略記)と診断された.2016年,2017年にそれぞれ浸潤性胸腺腫の増大に伴いMGが増悪するエピソードがあった.2018年に胸腺腫の増大に対し化学療法を施行され胸腺腫は縮小した.2か月後,高度の球麻痺と呼吸筋麻痺を伴うクリーゼが出現した.高用量のステロイドや単純血漿交換,免疫グロブリン大量静注療法を行ったが症状の改善を認めなかった.エクリズマブ投与後に軽微症状まで改善した.浸潤性胸腺腫合併MGでのクリーゼに対するエクリズマブの有効性を示した初めての報告である.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-001483