MYH7遺伝子変異によるLaing型遠位型ミオパチーの1例

症例は67歳男性.父親に類症が疑われた.53歳時に下肢遠位の筋力低下を自覚.56歳時に両側前脛骨筋の筋力低下と筋萎縮をみとめ,58歳頃から両側上肢近位筋の筋力低下と筋萎縮も加わった.CKは持続的に軽度上昇していた.筋組織では光顕で封入体様構造や筋原線維網の乱れと虫食い像を,電顕でZ帯とサルコメア構造の崩壊像をみとめ,一見,筋原線維性ミオパチー様の変化であった.遺伝子解析でMYH7遺伝子にヘテロ接合性の変異(c.5566G>A, p.E1856K)をみとめ,Laing型遠位型ミオパチー(Laing type distal myopathy; LDM)と診断した.本例は日本人としては最初のL...

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Published in臨床神経学 Vol. 59; no. 12; pp. 823 - 828
Main Authors 原, 賢寿, 宮田, 元, 西野, 一三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2019
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Summary:症例は67歳男性.父親に類症が疑われた.53歳時に下肢遠位の筋力低下を自覚.56歳時に両側前脛骨筋の筋力低下と筋萎縮をみとめ,58歳頃から両側上肢近位筋の筋力低下と筋萎縮も加わった.CKは持続的に軽度上昇していた.筋組織では光顕で封入体様構造や筋原線維網の乱れと虫食い像を,電顕でZ帯とサルコメア構造の崩壊像をみとめ,一見,筋原線維性ミオパチー様の変化であった.遺伝子解析でMYH7遺伝子にヘテロ接合性の変異(c.5566G>A, p.E1856K)をみとめ,Laing型遠位型ミオパチー(Laing type distal myopathy; LDM)と診断した.本例は日本人としては最初のLDMの報告である.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-001333