単クローン性ガンマグロブリン血症を伴いMPO-ANCA関連肥厚性硬膜炎を呈した限局型多発血管炎性肉芽腫症の1例

症例は66歳女性.主訴は右顔面の痺れで,神経学的所見は右顔面感覚鈍麻,舌運動障害,嚥下障害,舌右側の味覚低下を認めた.頭部MRIで右側頭部病変を認め,摘出した硬膜に肉芽腫が見られた.MPO-ANCA弱陽性で副鼻腔炎,気管支拡張像を認めたが,腎症状を認めず,ステロイドが著効したため限局型多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis; GPA)と診断した.単クローン性ガンマグロブリン血症と免疫性疾患の関連性について報告があり,本症例でも合併を認め,免疫電気泳動を早期に実施することは有用な可能性がある....

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Published in臨床神経学 Vol. 60; no. 7; pp. 500 - 503
Main Authors 船山, 由希乃, 渡辺, 源也, 突田, 健一, 鈴木, 博義, 上之原, 広司, 鈴木, 靖士
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2020
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Summary:症例は66歳女性.主訴は右顔面の痺れで,神経学的所見は右顔面感覚鈍麻,舌運動障害,嚥下障害,舌右側の味覚低下を認めた.頭部MRIで右側頭部病変を認め,摘出した硬膜に肉芽腫が見られた.MPO-ANCA弱陽性で副鼻腔炎,気管支拡張像を認めたが,腎症状を認めず,ステロイドが著効したため限局型多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis; GPA)と診断した.単クローン性ガンマグロブリン血症と免疫性疾患の関連性について報告があり,本症例でも合併を認め,免疫電気泳動を早期に実施することは有用な可能性がある.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.60.cn-001411