がん患者の苦痛に関するスクリーニング・トリアージを普及するためのワークショップの有用性の検討

本研究の目的はがん患者の苦痛のスクリーニングを患者・家族のために効果的に運用するためのワークショップの有用性について検討することである.直前・直後アンケートでは参加者51名全員から回答を得た.スクリーニングに関する知識は参加直後で有意に改善していた.3カ月後のWebアンケートにも7割以上が回答し,3カ月以内に学んだ内容を実践に移した参加者は3割以上であった.スクリーニング実施時の阻害因子は3カ月後では有意に減少していた.スクリーニングツールの使用方法に関する知識は,年間新入院・外来がん患者数,病床総数,院内がん登録数と負に相関し,スクリーニング実践に関する阻害因子と緩和ケアチーム(pallia...

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Published inPalliative Care Research Vol. 13; no. 3; pp. 273 - 279
Main Authors 木下, 寛也, 松本, 禎久, 奥山, 徹, 内田, 恵, 森田, 達也, 明智, 龍男, 木澤, 義之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緩和医療学会 2018
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ISSN1880-5302
DOI10.2512/jspm.13.273

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Summary:本研究の目的はがん患者の苦痛のスクリーニングを患者・家族のために効果的に運用するためのワークショップの有用性について検討することである.直前・直後アンケートでは参加者51名全員から回答を得た.スクリーニングに関する知識は参加直後で有意に改善していた.3カ月後のWebアンケートにも7割以上が回答し,3カ月以内に学んだ内容を実践に移した参加者は3割以上であった.スクリーニング実施時の阻害因子は3カ月後では有意に減少していた.スクリーニングツールの使用方法に関する知識は,年間新入院・外来がん患者数,病床総数,院内がん登録数と負に相関し,スクリーニング実践に関する阻害因子と緩和ケアチーム(palliative care team: PCT)経験歴は正に相関した.本研究でがん患者の苦痛に関するスクリーニング・トリアージを普及するためのワークショップの有用性が示唆された.対象者はPCT経験歴が長くがん患者数が多いがん拠点病院の医療者が適している可能性が示された.
ISSN:1880-5302
DOI:10.2512/jspm.13.273