不完全型Brown–Séquard症候群を呈した特発性脊髄ヘルニアの1例
50歳男性.10カ月の経過で進行する左下肢の筋力低下を主訴に,脊髄炎を疑われ紹介された.左下肢のびまん性筋力低下,右下肢の触覚鈍麻,乳頭以下の右半身の温痛覚鈍麻,左の錐体路徴候および尿失禁を認めた.胸椎MRIとCT myelographyでTh4椎体高位で脊髄が腹側へ偏位し,背側のくも膜下腔の拡大を認めたため,不完全型Brown–Séquard症候群を呈する特発性脊髄ヘルニアと診断し,ヘルニア嵌頓解除術を施行した.術後,症状は改善し進行も停止した.緩徐進行性の胸髄症でBrown–Séquard症候群を認める場合,脊髄ヘルニアを鑑別する必要がある....
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Published in | 臨床神経学 Vol. 62; no. 10; pp. 797 - 800 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本神経学会
2022
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0009-918X 1882-0654 |
DOI | 10.5692/clinicalneurol.cn-001767 |
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Summary: | 50歳男性.10カ月の経過で進行する左下肢の筋力低下を主訴に,脊髄炎を疑われ紹介された.左下肢のびまん性筋力低下,右下肢の触覚鈍麻,乳頭以下の右半身の温痛覚鈍麻,左の錐体路徴候および尿失禁を認めた.胸椎MRIとCT myelographyでTh4椎体高位で脊髄が腹側へ偏位し,背側のくも膜下腔の拡大を認めたため,不完全型Brown–Séquard症候群を呈する特発性脊髄ヘルニアと診断し,ヘルニア嵌頓解除術を施行した.術後,症状は改善し進行も停止した.緩徐進行性の胸髄症でBrown–Séquard症候群を認める場合,脊髄ヘルニアを鑑別する必要がある. |
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ISSN: | 0009-918X 1882-0654 |
DOI: | 10.5692/clinicalneurol.cn-001767 |