片側バリズム後に片側アステリキシスを呈した急性期脳梗塞の1例

88歳,女性.間欠的な右上下肢片側バリズムを主訴に当科を紹介受診した.受診時にはバリズムは消失し,右上肢の不全麻痺とアステリキシスを呈していた.頭部MRIでは左中大脳動脈分水嶺領域の散在性急性期脳梗塞と左内頸動脈閉塞が認められた.血行力学的機序による急性期脳梗塞として補液を行ったところ,右上肢不全麻痺とアステリキシスは改善した.左内頸動脈閉塞による左線条体の灌流障害が間欠的な片側バリズムの発生に,左前頭葉血流不全がアステリキシスの発生に関与している可能性が考えられた....

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Published in臨床神経学 Vol. 62; no. 10; pp. 793 - 796
Main Authors 村上, 丈伸, 瀧川, 洋史, 根鈴, 怜治, 花島, 律子, 河瀬, 真也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2022
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-001752

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Summary:88歳,女性.間欠的な右上下肢片側バリズムを主訴に当科を紹介受診した.受診時にはバリズムは消失し,右上肢の不全麻痺とアステリキシスを呈していた.頭部MRIでは左中大脳動脈分水嶺領域の散在性急性期脳梗塞と左内頸動脈閉塞が認められた.血行力学的機序による急性期脳梗塞として補液を行ったところ,右上肢不全麻痺とアステリキシスは改善した.左内頸動脈閉塞による左線条体の灌流障害が間欠的な片側バリズムの発生に,左前頭葉血流不全がアステリキシスの発生に関与している可能性が考えられた.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-001752