ステロイドパルスが奏効したクリーゼ発症抗MuSK抗体陽性重症筋無力症の1例

心肺停止で搬送された50歳女性.肺活量を維持できず人工呼吸管理からの離脱が困難だったため気管切開された.入院第17病日に抗MuSK抗体陽性と判明したが,詳細な病歴聴取ができず重症筋無力症(myasthenia gravis,以下MGと略記)と確信することができなかった.患者および家族が血液製剤の使用や単純血漿交換療法の侵襲性に難色を示したため,まずはステロイドパルスを行い経過を追う方針とした.ステロイドパルスは奏効し人工呼吸器管理から離脱することができ,最終的に独歩で自宅に退院した.抗MuSK抗体陽性MGクリーゼに対し,免疫グロブリン静注療法や単純血漿交換療法を行えない場合に,ステロイドパルス...

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Published in臨床神経学 Vol. 63; no. 6; pp. 379 - 381
Main Authors 日野, 秀嗣, 秋山, 茂雄, 若生, 翔, 斉藤, 聡志, 鎌田, 隆輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2023
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-001832

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Summary:心肺停止で搬送された50歳女性.肺活量を維持できず人工呼吸管理からの離脱が困難だったため気管切開された.入院第17病日に抗MuSK抗体陽性と判明したが,詳細な病歴聴取ができず重症筋無力症(myasthenia gravis,以下MGと略記)と確信することができなかった.患者および家族が血液製剤の使用や単純血漿交換療法の侵襲性に難色を示したため,まずはステロイドパルスを行い経過を追う方針とした.ステロイドパルスは奏効し人工呼吸器管理から離脱することができ,最終的に独歩で自宅に退院した.抗MuSK抗体陽性MGクリーゼに対し,免疫グロブリン静注療法や単純血漿交換療法を行えない場合に,ステロイドパルスは治療の選択肢になり得ることが示唆された.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-001832