心不全と心伝導障害が先行した抗ミトコンドリアM2抗体陽性筋炎の69歳男性例

症例は69歳男性.2年前より心不全症状が出現し,洞不全症候群に対しペースメーカー植込み術を受けた.1年前より歩行時に両下肢の疲労感が出現した.近位筋の筋力低下,腰椎前弯の増強,筋CTで胸腰椎傍脊柱筋,腹直筋,ヒラメ筋の萎縮を認めた.血清CK値は1,455 U/lであった.筋病理では軽度から中等度の筋線維の大小不同,壊死再生線維を認めたが,細胞浸潤は無く,HLA-ABCの発現は僅かであった.抗ミトコンドリアM2抗体が陽性であり,プレドニゾロンの投与により臨床所見の改善を得た.抗ミトコンドリアM2抗体陽性筋炎は筋生検で診断が確定し難く,致死的な心合併症が先行・合併しうることに注意が必要である....

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Published in臨床神経学 Vol. 62; no. 2; pp. 135 - 139
Main Authors 濱口, 眞衣, 藤田, 裕明, 西野, 一三, 鈴木, 圭輔, 大垣, 圭太郎, 国分, 則人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2022
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-001644

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Summary:症例は69歳男性.2年前より心不全症状が出現し,洞不全症候群に対しペースメーカー植込み術を受けた.1年前より歩行時に両下肢の疲労感が出現した.近位筋の筋力低下,腰椎前弯の増強,筋CTで胸腰椎傍脊柱筋,腹直筋,ヒラメ筋の萎縮を認めた.血清CK値は1,455 U/lであった.筋病理では軽度から中等度の筋線維の大小不同,壊死再生線維を認めたが,細胞浸潤は無く,HLA-ABCの発現は僅かであった.抗ミトコンドリアM2抗体が陽性であり,プレドニゾロンの投与により臨床所見の改善を得た.抗ミトコンドリアM2抗体陽性筋炎は筋生検で診断が確定し難く,致死的な心合併症が先行・合併しうることに注意が必要である.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-001644