特徴的なMRI所見を呈した両側傍正中視床梗塞の1例

症例は高血圧・心房細動のある62歳男性.突発性の意識障害で発症し,意識レベルの変動を繰り返した.神経学的診察では意識障害の他に一過性無呼吸と垂直注視麻痺を認めた.頭部MRIでは中脳吻側および両側視床内側の拡散制限を認め,視床穿通動脈閉塞による両側中脳・傍正中視床梗塞と診断した.CT angiographyでは両側後大脳動脈P1部で動脈弓を形成して視床内側へ灌流する破格の視床穿通動脈が確認された.本症では中脳におけるmidbrain V signが特徴的所見とされており診断の一助となった.また同梗塞はPercheron動脈の閉塞で生じるとされているが,本症例では異なる破格の存在が確認された....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in臨床神経学 Vol. 62; no. 8; pp. 637 - 640
Main Authors 中村, 圭吾, 杉山, 淳比古, 中川, 友貴, 桑原, 聡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-001744

Cover

More Information
Summary:症例は高血圧・心房細動のある62歳男性.突発性の意識障害で発症し,意識レベルの変動を繰り返した.神経学的診察では意識障害の他に一過性無呼吸と垂直注視麻痺を認めた.頭部MRIでは中脳吻側および両側視床内側の拡散制限を認め,視床穿通動脈閉塞による両側中脳・傍正中視床梗塞と診断した.CT angiographyでは両側後大脳動脈P1部で動脈弓を形成して視床内側へ灌流する破格の視床穿通動脈が確認された.本症では中脳におけるmidbrain V signが特徴的所見とされており診断の一助となった.また同梗塞はPercheron動脈の閉塞で生じるとされているが,本症例では異なる破格の存在が確認された.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-001744