B-3 母指末節骨に発生した原発性骨内グロムス腫瘍の1例(一般口演,第35回杏林医学会総会)

極めてまれな原発性骨内グロムス腫瘍を経験したので報告する. 症例は55歳女性, 3年来左母指の疼痛があり, 増悪するため当院を受診した. 末節骨掌側に腫脹と圧痛を認めた. 局所の熱感は明らかでなくt血液生化学所見も正常であった. 単純X線像では末節骨内に径約8mmの硬化をともなわない境界不明瞭な骨透亮像を認めた. 同部はMRIにてT1強調画像で低輝度T2強調画像で高輝度陰影を呈した. 確定診断目的で切除生検を行った. 病巣は末節骨背側の皮質の菲薄化をともなった境界明瞭な骨内病変であり, 病理組織学的にグロムス腫瘍と診断した. 術後すみやかに疼痛と腫脹の消失が見られた. 原発性骨内グロムス腫瘍は...

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Published inJOURNAL OF THE KYORIN MEDICAL SOCIETY Vol. 37; no. 3; p. 67
Main Authors 里見, 和彦, 森井, 健司, 稲田, 成作, 望月, 一男, 宝亀, 登
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 杏林医学会 2006
The Kyorin Medical Society
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ISSN0368-5829
1349-886X
DOI10.11434/kyorinmed.37.67_3

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Summary:極めてまれな原発性骨内グロムス腫瘍を経験したので報告する. 症例は55歳女性, 3年来左母指の疼痛があり, 増悪するため当院を受診した. 末節骨掌側に腫脹と圧痛を認めた. 局所の熱感は明らかでなくt血液生化学所見も正常であった. 単純X線像では末節骨内に径約8mmの硬化をともなわない境界不明瞭な骨透亮像を認めた. 同部はMRIにてT1強調画像で低輝度T2強調画像で高輝度陰影を呈した. 確定診断目的で切除生検を行った. 病巣は末節骨背側の皮質の菲薄化をともなった境界明瞭な骨内病変であり, 病理組織学的にグロムス腫瘍と診断した. 術後すみやかに疼痛と腫脹の消失が見られた. 原発性骨内グロムス腫瘍は1948年De Lattesによる最初の報告以来約20例が報告されているにすぎず極めてまれである.
ISSN:0368-5829
1349-886X
DOI:10.11434/kyorinmed.37.67_3