B-1 最近5年間の当教室蜂窩織炎の入院症例の集計 : 発症要因の検討を中心に(一般口演,第35回杏林医学会総会)

蜂窩織炎は主に真皮深層から皮下組織内に起こる急性の細菌感染症であり, その発症には基礎疾患, 循環障害, 外的要因が単独あるいは複合して関与すると考えられる. われわれは2001~05年の5年間に当科で入院加療を行った蜂窩織炎120例(男性76例, 女性44例)について発症時期, 年齢, 性別, 発症部位, 基礎疾患の有無, 循環傷害の有無, 外的要因の有無, 局所培養結果, 治療内容について集計し, 検討を行った. 平均年齢は55.9歳(男性54.8歳, 女性63.1歳)で平均入院期間は17.2日であった. 発症時期は8~9月の夏期に多く, 年齢別では30代, 50代, 80代, にピークが...

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Published inJOURNAL OF THE KYORIN MEDICAL SOCIETY Vol. 37; no. 3; p. 67
Main Authors 塩原, 哲夫, 堀田, 隆之, 早川, 和人, 岡崎, 充宏, 福田, 知雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 杏林医学会 2006
The Kyorin Medical Society
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ISSN0368-5829
1349-886X
DOI10.11434/kyorinmed.37.67_1

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Summary:蜂窩織炎は主に真皮深層から皮下組織内に起こる急性の細菌感染症であり, その発症には基礎疾患, 循環障害, 外的要因が単独あるいは複合して関与すると考えられる. われわれは2001~05年の5年間に当科で入院加療を行った蜂窩織炎120例(男性76例, 女性44例)について発症時期, 年齢, 性別, 発症部位, 基礎疾患の有無, 循環傷害の有無, 外的要因の有無, 局所培養結果, 治療内容について集計し, 検討を行った. 平均年齢は55.9歳(男性54.8歳, 女性63.1歳)で平均入院期間は17.2日であった. 発症時期は8~9月の夏期に多く, 年齢別では30代, 50代, 80代, にピークがみられた. 発症部位は下肢に圧倒的に多く認めらた. 基礎疾患は糖尿病, 高血圧, 心疾患が多く, その他に下肢静脈瘤やリンパ浮腫などの局所の循環傷害が明らかな例がみられた. また, およそ半数の症例で患肢に外傷, 手術, 骨折などの外的要因の既往がみられ, これらが潜在的な循環障害を引き起こし, 蜂窩織炎を発症させる重要な因子になっている可能性が示唆された. 120例中71例で局所培養を施行し, 菌が検出されたのは49例で主な検出菌はMSSAが25例と最多で, 続いてStreptococcus層が22例であった.
ISSN:0368-5829
1349-886X
DOI:10.11434/kyorinmed.37.67_1