複合振幅変調音を用いた変調周波数追随反応による 誘発反応聴力検査

1. 複合SAM音によるAMFR閾値と単独SAM音によるAMFR閾値の間には,臨床的に問題となるような差は認められず,また,複合SAM音を構成する4種のSAM音のCFとMFの組み合わせを変えてもAMFR閾値に影響は認められなかった. 2. 難聴症例において各刺激音のCFに対応したAMFR閾値と聴力像は,ほぼ一致し,複合SAM音を用いた場合でもAMFRの周波数特異性には問題のないことが示された. 3. 片耳の4周波数のAMFR閾値判定に要する時間は約24分であり,各SAM音を単独で提示した場合に比べて検査時間の著しい短縮となった. 4. 複合SAM音によるAMFRは,周波数特異性の高い他覚的聴力...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 106; no. 10; pp. 1045 - 1054
Main Author 大竹, 祐輔
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 2003
日本耳鼻咽喉科学会
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Summary:1. 複合SAM音によるAMFR閾値と単独SAM音によるAMFR閾値の間には,臨床的に問題となるような差は認められず,また,複合SAM音を構成する4種のSAM音のCFとMFの組み合わせを変えてもAMFR閾値に影響は認められなかった. 2. 難聴症例において各刺激音のCFに対応したAMFR閾値と聴力像は,ほぼ一致し,複合SAM音を用いた場合でもAMFRの周波数特異性には問題のないことが示された. 3. 片耳の4周波数のAMFR閾値判定に要する時間は約24分であり,各SAM音を単独で提示した場合に比べて検査時間の著しい短縮となった. 4. 複合SAM音によるAMFRは,周波数特異性の高い他覚的聴力検査法として臨床応用が十分に可能であると考えられた.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.106.1045