リビングラジカル重合による透明耐熱アクリル系ブロック共重合体の合成

エレクトロニクス,自動車,航空宇宙,家電,情報などさまざまな分野における技術革新に伴い,高機能性・高性能ポリマー材料の重要性が増し,近年,とくに高透明耐熱ポリマー材料への関心が高まっている.リビングラジカル重合を用いると,分子量,分子量分布,末端基構造,シークエンス構造などが精密に制御されたポリマーを合成することができ,これら構造制御されたポリマーは高機能性ポリマー材料の設計に利用されている.本報では,筆者らがこれまで取り組んできた透明耐熱ポリマー材料設計の研究の中から,リビングラジカル重合法を利用したアクリル系ブロック共重合体の合成に関する研究成果に焦点をあてて総括を行う.アダマンチル基を含...

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Published in高分子論文集 Vol. 76; no. 2; pp. 113 - 140
Main Authors 辻, 渚, 鈴木, 祥仁, 松本, 章一, 髙田, 康平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 25.03.2019
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ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.2018-0056

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Summary:エレクトロニクス,自動車,航空宇宙,家電,情報などさまざまな分野における技術革新に伴い,高機能性・高性能ポリマー材料の重要性が増し,近年,とくに高透明耐熱ポリマー材料への関心が高まっている.リビングラジカル重合を用いると,分子量,分子量分布,末端基構造,シークエンス構造などが精密に制御されたポリマーを合成することができ,これら構造制御されたポリマーは高機能性ポリマー材料の設計に利用されている.本報では,筆者らがこれまで取り組んできた透明耐熱ポリマー材料設計の研究の中から,リビングラジカル重合法を利用したアクリル系ブロック共重合体の合成に関する研究成果に焦点をあてて総括を行う.アダマンチル基を含むポリアクリル酸エステルの精密構造制御,高ガラス転移温度セグメントを含むポリアクリル酸エステルブロック共重合体の構造と物性,リビングラジカル重合による剛直鎖をもつポリフマル酸エステルの構造制御,ジチオベンゾエートおよびトリチオカーボネート型連鎖移動剤を用いた可逆的付加開裂連鎖移動重合によるフマル酸ジイソプロピルの重合反応制御,および剛直ポリフマル酸エステルセグメントを含むブロック共重合体の合成と特性解析に関する詳細を述べる.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.2018-0056