気管支動脈塞栓術実施症例の短期および長期効果の検討
背景.喀血症例に対する保存的治療法として,気管支動脈寒栓術が知られている.目的.当院で経験した喀血に対する気管支動脈塞栓術および体循環系動脈塞栓術について,その短期効果および長期効果を検討した.対象1998年5月から2001年6月までの期間で,喀血に対して気管支動脈塞栓術を実施した13症例について,背景,症状,所見,予後を検討した.方法.塞栓物質は主にスポンゼルおよびマイクロコイルを用い,超選択的カテーテル法で出血に関与する気管支動脈および肋間動脈など体循環系動脈に対して塞栓術を行った.結果.基礎疾患は抗酸菌関連疾患が多くみられた.短期効果は,気管支動脈塞栓術成功10例,不成功(至開胸術)3例...
Saved in:
Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 25; no. 4; pp. 274 - 278 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2003
日本気管支学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.25.4_274 |
Cover
Summary: | 背景.喀血症例に対する保存的治療法として,気管支動脈寒栓術が知られている.目的.当院で経験した喀血に対する気管支動脈塞栓術および体循環系動脈塞栓術について,その短期効果および長期効果を検討した.対象1998年5月から2001年6月までの期間で,喀血に対して気管支動脈塞栓術を実施した13症例について,背景,症状,所見,予後を検討した.方法.塞栓物質は主にスポンゼルおよびマイクロコイルを用い,超選択的カテーテル法で出血に関与する気管支動脈および肋間動脈など体循環系動脈に対して塞栓術を行った.結果.基礎疾患は抗酸菌関連疾患が多くみられた.短期効果は,気管支動脈塞栓術成功10例,不成功(至開胸術)3例で,成功例における長期効果は,観察期間3〜18ケ月(平均9.7ケ月)で,その間に再気管支動脈塞栓術を必要とした症例はなかった.また重篤な副作用はみられなかった.結論.喀血に対する気管支動脈塞栓術は,侵襲度が低く,安全に施行でき、短期だけでなくある程度の長期効果がみられ,有用な治療法と考えられた. |
---|---|
ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.25.4_274 |