12.短期間に2度歯牙を誤嚥し,内視鏡除去を要した1例(第39回 日本呼吸器内視鏡学会中部支部会)
症例は90歳, 施設入所中の女性. 脳梗塞後遺症にて認知症があり, ほぼ寝たきりであった. 胃瘻チューブ交換時の腸穿孔による急性腹膜炎にて緊急手術後, 外科入院中の2010年1月, 胸部X線写真にて右気管支内に脱落歯牙と考えられる気道異物を認めた. 局所麻酔下に気管チューブを挿入し, 気管支鏡を用いた異物除去を行った. 歯牙は処置中に自然喀出された. 入院継続中の同年3月呼吸不全を呈し, 胸部X線写真にて左主気管支に異物を認めた. 再度内視鏡的摘出術を試み, 鰐口鉗子で異物を取り出した. 2度目の気道異物も歯牙であり, 摘出後呼吸不全は改善した. リスクとして, 認知症, 嚥下障害の他に, 経...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 32; no. 5; p. 479 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2010
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.32.5_479_1 |
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Summary: | 症例は90歳, 施設入所中の女性. 脳梗塞後遺症にて認知症があり, ほぼ寝たきりであった. 胃瘻チューブ交換時の腸穿孔による急性腹膜炎にて緊急手術後, 外科入院中の2010年1月, 胸部X線写真にて右気管支内に脱落歯牙と考えられる気道異物を認めた. 局所麻酔下に気管チューブを挿入し, 気管支鏡を用いた異物除去を行った. 歯牙は処置中に自然喀出された. 入院継続中の同年3月呼吸不全を呈し, 胸部X線写真にて左主気管支に異物を認めた. 再度内視鏡的摘出術を試み, 鰐口鉗子で異物を取り出した. 2度目の気道異物も歯牙であり, 摘出後呼吸不全は改善した. リスクとして, 認知症, 嚥下障害の他に, 経腸栄養のため, 口腔・歯槽の衛生状態が悪く, 歯牙の脱落しやすい背景があった. 口腔内ケアも予防に重要と考えられた. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.32.5_479_1 |