42.末梢血および気管支肺胞洗浄液にて好酸球増加を認めたサルコイドーシスの1例(第29回 日本呼吸器内視鏡学会九州支部総会)
症例は52歳女性. 主訴は胸部検診チェック. 喫煙歴:5本×10年(1年前に禁煙). 既往歴, 生活歴に特記事項なし. 数年ぶりに受けた検診で両側肺門部リンパ節腫脹を指摘され当院受診. 1ケ月前より乾性咳嗽を自覚している. 胸部CTではリンパ節腫脹に加えて右S6領域にair bronchogramを伴う不整型の浸潤影が観察された. 血液検査では末梢血中好酸球増加14.1%(実数760/μl)と可溶性IL-2レセプター高値1040 U/mlが認められたが, 血清ACEとリゾチーム値は正常範囲であった-呼吸機能検査では軽度拘束性肺障害が観察された(%VC79.8%). 気管支鏡検査では右B6にリン...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 28; no. 7; p. 541 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2006
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.28.7_541_1 |
Cover
Summary: | 症例は52歳女性. 主訴は胸部検診チェック. 喫煙歴:5本×10年(1年前に禁煙). 既往歴, 生活歴に特記事項なし. 数年ぶりに受けた検診で両側肺門部リンパ節腫脹を指摘され当院受診. 1ケ月前より乾性咳嗽を自覚している. 胸部CTではリンパ節腫脹に加えて右S6領域にair bronchogramを伴う不整型の浸潤影が観察された. 血液検査では末梢血中好酸球増加14.1%(実数760/μl)と可溶性IL-2レセプター高値1040 U/mlが認められたが, 血清ACEとリゾチーム値は正常範囲であった-呼吸機能検査では軽度拘束性肺障害が観察された(%VC79.8%). 気管支鏡検査では右B6にリンパ節腫脹が原因と思われる狭窄が認められ, 浸潤陰影に対する擦過細胞診では好中球主体の炎症所見が観察された. 右B4より施行された気管支肺洗浄液では総細胞数は0.75×105 cell/ml, 細胞分画ではマクロファージ41%, 好中球22%, リンパ球12%(CD4/8 3.81)であり好酸球は24%と異常高値を示した. ツ反は陰性, Gaシンチでは両側肺門, 縦隔リンパ節および涙腺部位に異常集積が観察されることから, 病理学的証明はできていないが臨床的にサルコイドーシスと診断した. また浸潤影は自然軽快しており閉塞性肺炎と診断した. 好酸球増加を伴うサルコイドーシスは報告も少なく, 文献的考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.28.7_541_1 |