2.食道気管支瘻を呈した腺癌の1例(第32回 日本呼吸器内視鏡学会東北支部会,支部会(記録))

症例は65歳男性, 2005年10月より心窩部不快感があり2006年1月他院受診. CTにて縦隔腫瘍を指摘され気管支鏡を施行. 未分化癌の診断となり食道浸潤もあり手術適応なく, 治療目的に出身地である仙台に転居した. 2006年4月, タール便を自覚していたが放置翌日の夜より吐血があり, さらに翌日, 当院初診. 上部消化管内視鏡検査により腫瘍の食道浸潤による出血によることが明らかになり同日緊急入院となった. 絶食, 中心静脈栄養管理として気管支鏡検査を施行. 左主気管支膜様部が欠損し壊死物質に覆われた腫瘍内腔を観察でき, 上部消化管内視鏡では食道に6cmにわたる裂溝があり腫瘍内腔を介して気管...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 28; no. 6; p. 459
Main Authors 小犬丸, 貞裕, 高橋, 里美, 前門, 戸任, 野口, 哲也, 角藤, 芳久, 菊地, 徹, 福原, 達朗, 佐藤, 雅美, 小池, 加保児
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2006
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.28.6_459_2

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Summary:症例は65歳男性, 2005年10月より心窩部不快感があり2006年1月他院受診. CTにて縦隔腫瘍を指摘され気管支鏡を施行. 未分化癌の診断となり食道浸潤もあり手術適応なく, 治療目的に出身地である仙台に転居した. 2006年4月, タール便を自覚していたが放置翌日の夜より吐血があり, さらに翌日, 当院初診. 上部消化管内視鏡検査により腫瘍の食道浸潤による出血によることが明らかになり同日緊急入院となった. 絶食, 中心静脈栄養管理として気管支鏡検査を施行. 左主気管支膜様部が欠損し壊死物質に覆われた腫瘍内腔を観察でき, 上部消化管内視鏡では食道に6cmにわたる裂溝があり腫瘍内腔を介して気管支内腔を観察できた. 放射線治療を行うが, 腫瘍内腔が開大するのみで経口摂取の可能性乏しく, 放射線治療を中止し食道ステントを留置した. 食道ステントにより咳嗽が治まるなどの一定の効果は得られたが経口摂取可能となるまでには至らなかった.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.28.6_459_2