8.BAL液中好酸球増加とカリニ肺炎を合併したAIDSの1例(第26回日本呼吸器内視鏡学会九州支部総会)
症例は52歳, 男性. H15年3月より感冒症状出現し, 近医で治療受けたが症状改善せず, 発熱, 呼吸困難も出現したため, 同5/15に当科初診. 胸部X線では両側中下肺野に粒状影, 斑状影を認め, 精査加療目的でH15/5/26に当科入院となった. 胸部CTでは全肺野に小葉中心性の小結節影や淡い肺野濃度上昇を認め, 一部には小さい嚢胞性変化, 索状影なども認めた. 末梢血で白血球が4800/μl(リンパ球41%), CRPが0.45mg/dlであったが, 血中β-Dグルカンが1536.0pg/mlと著明な高値を示した. 気管支肺胞洗浄(以下, BAL)では細胞濃度が4.57×105/mlと...
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Published in | 気管支学 Vol. 25; no. 7; pp. 577 - 578 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2003
日本呼吸器内視鏡学会 |
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Summary: | 症例は52歳, 男性. H15年3月より感冒症状出現し, 近医で治療受けたが症状改善せず, 発熱, 呼吸困難も出現したため, 同5/15に当科初診. 胸部X線では両側中下肺野に粒状影, 斑状影を認め, 精査加療目的でH15/5/26に当科入院となった. 胸部CTでは全肺野に小葉中心性の小結節影や淡い肺野濃度上昇を認め, 一部には小さい嚢胞性変化, 索状影なども認めた. 末梢血で白血球が4800/μl(リンパ球41%), CRPが0.45mg/dlであったが, 血中β-Dグルカンが1536.0pg/mlと著明な高値を示した. 気管支肺胞洗浄(以下, BAL)では細胞濃度が4.57×105/mlと中等度上昇し, 分画ではリンパ球(46.1%), 好酸球(31.8%)が上昇していた. また, グロコット染色でBAL液中にはカリニ原虫を多数認めた. その後, HIV抗体陽性でCD4が72/μlと低値であることが判明し, カリニ肺炎を発症したAIDSと診断した. 本症例はBAL液中にリンパ球だけでなく, 好酸球の増加を認め, 興味深い1例と思われたため, 若干の文献的考察を含め報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.25.7_577_4 |