15.胸腔鏡下肺生検で診断した特発性閉塞性細気管支炎の1例(第30回 日本呼吸器内視鏡学会九州支部総会)
症例は53歳の主婦であり, 約6ヶ月の経過で亜急性に進行した喘鳴と呼吸困難を主訴に前医に入院した. 前医では気管支喘息と肺血栓塞栓症を疑われ, ステロイドとヘパリンの全身投与を受けたが軽快しないため当科へ紹介入院となった. 当科入院時は著明な高炭酸ガス血症を伴う低酸素血症を認め, 肺機能上も高度の閉塞性障害を示した. 高分解能胸部CTにおいて肺野にモザイク像を認め, 肺換気血流シンチを行ったところ, 全肺野でmatched defectが認められた. この時点で閉塞性細気管支炎を疑い, 感染症や膠原病等の検索を行ったが原因となる疾患は認められなかった. 確定診断目的に胸腔鏡下肺生検を行い, 特...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 29; no. 6; p. 372 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2007
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.29.6_372_2 |
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Summary: | 症例は53歳の主婦であり, 約6ヶ月の経過で亜急性に進行した喘鳴と呼吸困難を主訴に前医に入院した. 前医では気管支喘息と肺血栓塞栓症を疑われ, ステロイドとヘパリンの全身投与を受けたが軽快しないため当科へ紹介入院となった. 当科入院時は著明な高炭酸ガス血症を伴う低酸素血症を認め, 肺機能上も高度の閉塞性障害を示した. 高分解能胸部CTにおいて肺野にモザイク像を認め, 肺換気血流シンチを行ったところ, 全肺野でmatched defectが認められた. この時点で閉塞性細気管支炎を疑い, 感染症や膠原病等の検索を行ったが原因となる疾患は認められなかった. 確定診断目的に胸腔鏡下肺生検を行い, 特発性閉塞性細気管支炎の診断を得た. 治療としては将来的には肺移植を念頭において, 現在は在宅酸素療法に加えて, ステロイドとマクロライドの内服を行い外来経過観察中である. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.29.6_372_2 |