13.嚥下困難を来した皮膚筋炎合併肺腺癌の1例(第37回 日本呼吸器内視鏡学会東北支部会)

症例は70歳男性. 2005年に右肺腺癌と診断され, 縦隔リンパ節転移がありN2であったが, 患者本人の強い希望で手術が他院で施行された. 術後当院へ紹介されCBDCA+PTXを3サイクル施行した. 2011年2月全身の紅斑と嗄声が出現. 縦隔LN増大, 肝転移を認め化学療法目的に入院した. 筋力低下, Gottron徴候, CK上昇などの所見があり皮膚筋炎が強く疑われた. 筋生検などによる確定診断が必要と考え大学病院への転院を予定したが3月中旬に東日本大震災が発生し紹介困難となり, 病状の進行を認めたため臨床的に皮膚筋炎としてステロイド治療を開始した. 皮疹は改善しCKも低下傾向となり, C...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 33; no. 5; p. 388
Main Authors 前門, 戸任, 小犬丸, 貞裕, 渡邉, 香奈, 綿貫, 善太, 松原, 信行, 鈴木, 綾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2011
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.33.5_388_3

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Summary:症例は70歳男性. 2005年に右肺腺癌と診断され, 縦隔リンパ節転移がありN2であったが, 患者本人の強い希望で手術が他院で施行された. 術後当院へ紹介されCBDCA+PTXを3サイクル施行した. 2011年2月全身の紅斑と嗄声が出現. 縦隔LN増大, 肝転移を認め化学療法目的に入院した. 筋力低下, Gottron徴候, CK上昇などの所見があり皮膚筋炎が強く疑われた. 筋生検などによる確定診断が必要と考え大学病院への転院を予定したが3月中旬に東日本大震災が発生し紹介困難となり, 病状の進行を認めたため臨床的に皮膚筋炎としてステロイド治療を開始した. 皮疹は改善しCKも低下傾向となり, CBDCA+PEMを開始し腫瘍縮小効果を認め2サイクル目を開始したが, 嚥下障害が出現し経口摂取不可能となった. 食道をはじめとした消化管に狭窄なく, 皮膚筋炎の部分症としての嚥下障害が発症したものと診断した. 比較的稀な皮膚筋炎による嚥下困難により治療が困難であった肺癌症例を経験したため報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.33.5_388_3