2.画像上,サルコイドーシスとの鑑別を要した肺結核の1例(第137回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)
60歳男性. 職業は建築現場作業員, アスベスト・鉄骨・ガラス繊維の粉塵曝露歴あり. 健康診断にて胸部異常陰影を指摘され来院. 胸部単純X線写真上で両側上肺野に粒状網状影を認めた. CTでは両側上葉に気管支血管束を中心に集籏する小結節病変を多数認めるも, 融合傾向は乏しく空洞影は認めず, 職業歴・画像所見から塵肺やサルコイドーシスが疑われた. 洗浄液の結核菌群PCRは陰性, 経気管支肺生検ではラ氏型巨細胞・乾酪壊死を伴う類上皮細胞肉芽腫を認めたが, 抗酸菌染色は陰性であった. 血清ACE・リゾチームは正常範囲, QFTは0.17IU/mlと判定保留であったが, ツ反は陽性であった. 以上より肺...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 33; no. 5; p. 371 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2011
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.33.5_371_2 |
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Summary: | 60歳男性. 職業は建築現場作業員, アスベスト・鉄骨・ガラス繊維の粉塵曝露歴あり. 健康診断にて胸部異常陰影を指摘され来院. 胸部単純X線写真上で両側上肺野に粒状網状影を認めた. CTでは両側上葉に気管支血管束を中心に集籏する小結節病変を多数認めるも, 融合傾向は乏しく空洞影は認めず, 職業歴・画像所見から塵肺やサルコイドーシスが疑われた. 洗浄液の結核菌群PCRは陰性, 経気管支肺生検ではラ氏型巨細胞・乾酪壊死を伴う類上皮細胞肉芽腫を認めたが, 抗酸菌染色は陰性であった. 血清ACE・リゾチームは正常範囲, QFTは0.17IU/mlと判定保留であったが, ツ反は陽性であった. 以上より肺結核の治療的診断として抗結核薬を4剤投与開始したところ, 画像は改善した. 後に洗浄液の培養で結核菌群が陽性であった. 非典型的な画像を呈した肺結核の1例を報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.33.5_371_2 |