32. 経過観察中に原発性肺癌を合併したmulticentric Castleman's diseaseの1例(第15回日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会)

症例は67歳男性. 2004年4月, 発熱, 全身倦怠感にて近医受診. 両側肺野に異常影を認め山口大学医学部附属病院へ紹介受診. CTにて両肺に多発性の浸潤影, 及び縦隔リンパ節腫大を認めた. 気管支鏡下肺生検では形質細胞を含む炎症細胞浸潤のみ. CT下肺生検ではLIPの診断であったが, 頸部リンパ節生検にてmulticentric Castleman's disease(以下MCD)の診断を得た. PSL内服にて症状は改善し長門総合病院で経過観察されていた. 2006年, 胸部CTにて左肺下葉に結節影が出現. 原発性肺癌とMCDの再発との鑑別が問題となった. 比較的短期間で増大傾向...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 29; no. 2; p. 125
Main Authors 須田, 博喜, 林, 俊輔, 久我, 貴之, 山下, 晃正, 松本, 常男, 亀井, 信二, 国弘, 佳枝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2007
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.29.2_125_1

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Summary:症例は67歳男性. 2004年4月, 発熱, 全身倦怠感にて近医受診. 両側肺野に異常影を認め山口大学医学部附属病院へ紹介受診. CTにて両肺に多発性の浸潤影, 及び縦隔リンパ節腫大を認めた. 気管支鏡下肺生検では形質細胞を含む炎症細胞浸潤のみ. CT下肺生検ではLIPの診断であったが, 頸部リンパ節生検にてmulticentric Castleman's disease(以下MCD)の診断を得た. PSL内服にて症状は改善し長門総合病院で経過観察されていた. 2006年, 胸部CTにて左肺下葉に結節影が出現. 原発性肺癌とMCDの再発との鑑別が問題となった. 比較的短期間で増大傾向を示したため気管支鏡下に生検を施行. 扁平上皮癌の診断を得た. 左肺下葉切除が施行された. 術後病期はpT2N0M0 stage IBであった. MCDは悪性リンパ腫や固形癌を合併することがあり, 予後不良とされている. 今回我々はMCDに合併した原発性肺癌を経験したので, 文献的考察を加えてここに報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.29.2_125_1