31. 気管支鏡下生検で診断された硬化性血管腫の1手術例(第15回日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会)

【はじめに】硬化性血管腫は肺胞II型細胞の増殖が主像で, 血液成分の豊富な血管腔様の部分と器質化した硬化部分からなる肺良性腫瘍である. 中年の女性に好発し, 無症状の場合が多い. 一般に, 気管支鏡下生検では, 本症の診断は難しいとされている. 我々は, 硬化性血管腫の診断を気管支鏡下生検で得た後, 胸腔鏡下肺部分切除術で摘出した症例を経験したので, 文献的考察を加えて報告する. 【症例】患者は63歳, 女性. 2006年4月, 近医で高血圧のために撮影した胸部X線写真で, 右下肺野に約25mmの腫瘤影を指摘された. 5月, 当院での気管支鏡下生検で, 硬化性血管腫が示唆された. 6月, 胸腔...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 29; no. 2; p. 124
Main Authors 松岡, 隆久, 平澤, 克敏, 東, 俊孝, 青江, 啓介, 岡部, 和倫, 前田, 忠士, 杉, 和郎, 星井, 嘉信, 上岡, 博, 石原, 得博, 松田, 英祐
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2007
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.29.2_124_5

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Summary:【はじめに】硬化性血管腫は肺胞II型細胞の増殖が主像で, 血液成分の豊富な血管腔様の部分と器質化した硬化部分からなる肺良性腫瘍である. 中年の女性に好発し, 無症状の場合が多い. 一般に, 気管支鏡下生検では, 本症の診断は難しいとされている. 我々は, 硬化性血管腫の診断を気管支鏡下生検で得た後, 胸腔鏡下肺部分切除術で摘出した症例を経験したので, 文献的考察を加えて報告する. 【症例】患者は63歳, 女性. 2006年4月, 近医で高血圧のために撮影した胸部X線写真で, 右下肺野に約25mmの腫瘤影を指摘された. 5月, 当院での気管支鏡下生検で, 硬化性血管腫が示唆された. 6月, 胸腔鏡下中葉部分切除術を行い, 腫瘤を摘出した. 病理診断は硬化性血管腫であった. 術後経過は順調である. 【結語】術前診断は難しいとされている硬化性血管腫に対して, 気管支鏡下生検で診断し得た硬化性血管腫の1手術例を報告した.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.29.2_124_5