5.両側声帯麻痺を伴った気管狭窄にステント留置を行った甲状腺癌の1例(第134回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)
71歳女性. 40歳時に甲状腺乳頭癌手術後, 局所再発のため2回の追加切除を施行. 2009年8月, 局所再発巣の増大とともに労作時呼吸苦が増悪し, 他院で気管切開を勧められたが受容できず, ステント治療希望で紹介入院となった. 左反回神経麻痺および気管上部が約80%の浸潤性狭窄を認めたため, 2009年10月Ultraflex stent膜付(18×60mm長)を留置し退院したが, 同年11月両側反回神経麻痺およびステント閉塞による呼吸苦のため再入院. その後, 気道管理で徐々にQOLは改善し軽快退院となった. 2010年7月ステント両側端(bared部)に発生した肉芽増生に対し尾側にのみU...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 32; no. 6; p. 559 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2010
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.32.6_559_1 |
Cover
Summary: | 71歳女性. 40歳時に甲状腺乳頭癌手術後, 局所再発のため2回の追加切除を施行. 2009年8月, 局所再発巣の増大とともに労作時呼吸苦が増悪し, 他院で気管切開を勧められたが受容できず, ステント治療希望で紹介入院となった. 左反回神経麻痺および気管上部が約80%の浸潤性狭窄を認めたため, 2009年10月Ultraflex stent膜付(18×60mm長)を留置し退院したが, 同年11月両側反回神経麻痺およびステント閉塞による呼吸苦のため再入院. その後, 気道管理で徐々にQOLは改善し軽快退院となった. 2010年7月ステント両側端(bared部)に発生した肉芽増生に対し尾側にのみUltraflex stent膜付(18×40mm長)を追加留置し, 初回留置後9カ月現在, 自宅での日常生活を送っている. なお, ステント内面からはMRSAが常時検出されており, また, 糖尿病コントロールは十分とはいえず, HbA1cは6.1~6.3%で推移している. 一般的にT-チューブの適応例と思われるが, 気管内金属ステント留置でQOLが確保されたので報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.32.6_559_1 |