13.挿管後気管狭窄の1例(第29回 日本呼吸器内視鏡学会九州支部総会)
長期の気管内挿管に起因する気管狭窄に対して気管支鏡下の狭窄解除術とTチューブ留置術が奏効した症例を報告する. 症例は, 71歳の女性. 前医にて気管支喘息の重積発作, 左気胸, 皮下縦隔気腫による呼吸不全のため45日間の気管内挿管が行なわれた. その後呼吸症状は比較的安定していたが, 約2ヵ月後に喘鳴が出現し, 中枢性気道狭窄の診断で当科へ緊急入院した. 入院時すでに気管内挿管された状態で, 気管支鏡検査とCT検査では, 狭窄は気管第2軟骨輪レベルから約3cmに亘り, 気管軟骨の肥厚, 変形を伴う全周性の狭窄で内腔は約4mmであった. 入院当日に気管狭窄の解除術を行なった. 全身麻酔下に, 換...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 28; no. 7; pp. 534 - 535 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2006
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.28.7_534_4 |
Cover
Summary: | 長期の気管内挿管に起因する気管狭窄に対して気管支鏡下の狭窄解除術とTチューブ留置術が奏効した症例を報告する. 症例は, 71歳の女性. 前医にて気管支喘息の重積発作, 左気胸, 皮下縦隔気腫による呼吸不全のため45日間の気管内挿管が行なわれた. その後呼吸症状は比較的安定していたが, 約2ヵ月後に喘鳴が出現し, 中枢性気道狭窄の診断で当科へ緊急入院した. 入院時すでに気管内挿管された状態で, 気管支鏡検査とCT検査では, 狭窄は気管第2軟骨輪レベルから約3cmに亘り, 気管軟骨の肥厚, 変形を伴う全周性の狭窄で内腔は約4mmであった. 入院当日に気管狭窄の解除術を行なった. 全身麻酔下に, 換気不全時の緊急PCPSに備えて両側大腿静脈からガイドワイヤーを留置した後に細径BFと透視下に再度狭窄部を確認後, 10mm径, 2cm長のPTA用balloonにて拡張術を行なった. 狭窄部が解除され, 6mm径の気管チューブを狭窄部の末梢に誘導し換気が十分に確保できた後に気管切開術を行い, adjustable気管切開チューブを留置した. 気管切開術時に採取した気管軟骨は, 瘢痕に近い組織像で長期挿管によるカブ狭窄と判断した. 約3週後に環状切除術も考慮したが, 声帯, 声門下腔の炎症所見が改善せず, Tチューブ留置術を行なった. 瘢痕狭窄した気管の狭窄解除のdilatorとしてPTA用balloonが有用であった. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.28.7_534_4 |