25.胸腔鏡下右上葉切除術を施行した肺アスペルギルス症の1例(第116回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)
肺アスペルギルス症に対する外科的治療は抗真菌薬耐性の症例や喀血を繰り返す症例, 画像上改善が認められない症例を適応としている. 手術に際しては, 癒着と出血に注意する必要がある. 胸腔鏡と術前気管支動脈塞栓術を併用し, 安全に右上葉切除を施行した肺アスペルギルス症を経験した. 【症例】61歳男性. 2003年の右大葉性肺炎後, 右上肺野に空洞性病変を指摘された. その後血痰が持続していた. 2005年喀血を認め, 右上肺野に菌球様構造を指摘された. 喀痰検査にて肺アスペルギルス症と診断され, FCZにて画像上改善が認められず手術適応とした. 術前に気管支動脈塞栓術を施行後, 7日目に胸腔鏡下肺...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 28; no. 4; p. 328 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2006
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.28.4_328_2 |
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Summary: | 肺アスペルギルス症に対する外科的治療は抗真菌薬耐性の症例や喀血を繰り返す症例, 画像上改善が認められない症例を適応としている. 手術に際しては, 癒着と出血に注意する必要がある. 胸腔鏡と術前気管支動脈塞栓術を併用し, 安全に右上葉切除を施行した肺アスペルギルス症を経験した. 【症例】61歳男性. 2003年の右大葉性肺炎後, 右上肺野に空洞性病変を指摘された. その後血痰が持続していた. 2005年喀血を認め, 右上肺野に菌球様構造を指摘された. 喀痰検査にて肺アスペルギルス症と診断され, FCZにて画像上改善が認められず手術適応とした. 術前に気管支動脈塞栓術を施行後, 7日目に胸腔鏡下肺葉切除術を施行した. 病巣周囲の癒着は強固だったが, 胸腔鏡下右上葉切除を完遂できた. 手術時間は220分, 出血量は125mlであった. 術後11日目退院となった. 肺アスペルギルス症に対する外科療法について若干の文献を交えて報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.28.4_328_2 |