3.当院で経験した気道異物症例の検討(第33回 日本呼吸器内視鏡学会九州支部会)
2005年1月から2010年6月までに気道異物の7例を経験したので臨床的検討を加えて報告する. 年齢は74歳から85歳と高齢が多く, 男性6例/女性1例であった. 異物の内訳は歯冠2例, 歯牙2例, 魚骨1例, 食物1例, 薬剤1例. 気管上部1例, 右側気管支4例, 左側気管支2例で, 胸部X線写真あるいは胸部CTにて指摘可能であった. 自覚症状は血痰1例, 咳・痰1例, 呼吸困難3例で, 歯冠の2例は歯科治療中に発症し無症状であった. 最近経験した例はヒートシートに入ったままの2錠を含む錠剤を内服. ほぼ吐き出したが, ヒートシートが気管上部から声帯に挟まった1錠のみは喀出できず呼吸困難と...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 32; no. 6; p. 547 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2010
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.32.6_547_3 |
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Summary: | 2005年1月から2010年6月までに気道異物の7例を経験したので臨床的検討を加えて報告する. 年齢は74歳から85歳と高齢が多く, 男性6例/女性1例であった. 異物の内訳は歯冠2例, 歯牙2例, 魚骨1例, 食物1例, 薬剤1例. 気管上部1例, 右側気管支4例, 左側気管支2例で, 胸部X線写真あるいは胸部CTにて指摘可能であった. 自覚症状は血痰1例, 咳・痰1例, 呼吸困難3例で, 歯冠の2例は歯科治療中に発症し無症状であった. 最近経験した例はヒートシートに入ったままの2錠を含む錠剤を内服. ほぼ吐き出したが, ヒートシートが気管上部から声帯に挟まった1錠のみは喀出できず呼吸困難となった. 異物の摘出は気管支ファイバー下に, 全例に鰐口型鉗子を用い, 2例に3本爪型鉗子を併用, 円形の歯牙にはバスケット型鉗子を併用した. 高齢で十分な協力が得られにくかったり, 胸部CT検査後から気管支ファイバー検査までの間に異物が右側から左側へ移動した例や, 口腔内まで把持した異物を嚥下され引き続き胃内視鏡にて摘出した例もあり, 迅速かつ適切な対応が必要であった. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.32.6_547_3 |