19.喀血により指摘され,喀石により症状が消失した気管支結石症の1例(第134回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)
症例は生来健康な71歳男性. 2009年7月に胸部不快感を自覚し, その後にコップ半分程度の喀血を認めたため, 当院に救急搬送され緊急入院となった. 貧血は認めなかったが喀血が続くため, 気管支動脈塞栓術を施行した. 喀血の量や頻度は著明に減少したが, 出血部位を確認するために気管支鏡を施行した. 左B1+2cと考えられる部位に結石を認めたが明らかな出血は見られないため, 観察のみで終了した. その後, 外来で経過観察していたが, 数日に1回程度のわずかな血痰は自覚していた. 2010年2月に, 咳嗽時に結石の自然排出を認めた. 確認のために気管支鏡を再度行ったが, 同部位の結石は消失, 気管...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 32; no. 6; p. 561 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2010
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.32.6_561_4 |
Cover
Summary: | 症例は生来健康な71歳男性. 2009年7月に胸部不快感を自覚し, その後にコップ半分程度の喀血を認めたため, 当院に救急搬送され緊急入院となった. 貧血は認めなかったが喀血が続くため, 気管支動脈塞栓術を施行した. 喀血の量や頻度は著明に減少したが, 出血部位を確認するために気管支鏡を施行した. 左B1+2cと考えられる部位に結石を認めたが明らかな出血は見られないため, 観察のみで終了した. その後, 外来で経過観察していたが, 数日に1回程度のわずかな血痰は自覚していた. 2010年2月に, 咳嗽時に結石の自然排出を認めた. 確認のために気管支鏡を再度行ったが, 同部位の結石は消失, 気管支は開存していた. 喀石に伴い, 血痰の症状も消失し, 画像上も改善を認めた. 過去の報告では, 自然排石は気管支結石症の内の20%以下と少なく, 本症例は症状, 画像ともに改善を認めたために貴重な症例と考えられる. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.32.6_561_4 |