19. 気管結核による気道狭窄と食道気管瘻に対してステント治療を行った1例(第15回日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会)
【緒言】気管へのUltraflex留置後に, ステントの断裂をきたし, 対応に苦慮した症例を経験したので報告する. 【症例】症例は53歳, 女性. 肺結核, 気管結核を発症し, 抗結核剤の投与を開始したが, 気管結核によるhour glass状の気道狭窄と食道気管瘻を認め, ステント留置目的で入院となった. Covered Ultraflexを気管内に留置し, 食道気管瘻の閉鎖と呼吸状態の改善を得た. ステント留置約2年後よりUltraflexの膜様部側に二列のステント断裂が始まり, 強い咳嗽をきたし, ステント断裂の進行と共に咳嗽時の苦痛は極度となり, 3年5ケ月後に, ステントの補強と咳嗽...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 29; no. 2; p. 122 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2007
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.29.2_122_3 |
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Summary: | 【緒言】気管へのUltraflex留置後に, ステントの断裂をきたし, 対応に苦慮した症例を経験したので報告する. 【症例】症例は53歳, 女性. 肺結核, 気管結核を発症し, 抗結核剤の投与を開始したが, 気管結核によるhour glass状の気道狭窄と食道気管瘻を認め, ステント留置目的で入院となった. Covered Ultraflexを気管内に留置し, 食道気管瘻の閉鎖と呼吸状態の改善を得た. ステント留置約2年後よりUltraflexの膜様部側に二列のステント断裂が始まり, 強い咳嗽をきたし, ステント断裂の進行と共に咳嗽時の苦痛は極度となり, 3年5ケ月後に, ステントの補強と咳嗽の苦痛を和らげる目的でUltraflexの中枢側の一部を抜去すると同時に, 断裂したUltraflex内にDumon stentをstent in stentで留置した. この処置により咳嗽時のステントの動きは安定し, 苦痛も著明に改善した. 【考察】Ultraflexの長期の気管内留置では咳嗽によりステントの断裂をきたすと考えられる. 良性疾患, 予後長期の症例に対する気管内への金属ステント(Ultraflexを含む)留置は禁忌と考える. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.29.2_122_3 |