15.縦隔型肺底区動脈(A^<8+10>)を認めた左上葉肺癌の1切除例(第134回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)
56歳, 男性. 胸部X線異常の精査目的に当院紹介となった. 左S3に径4.5cmの, 内部に空洞を有する腫瘤を認め, 気管傍リンパ節腫大も認めた. 気管支鏡検査施行し, 腺癌と診断した. 左原発性肺癌(cT2aN2M0)に対して胸腔鏡補助下, 胸骨正中切開にて左上葉切除+ND3αを施行した. 術中肺動脈処理の際に, 左主肺動脈の縦隔側より下葉に向かう肺動脈の分枝を認め, A8+10であることを確認し温存し手術を施行した. 術後経過は良好で術後14日目に退院となった. 本症例のような縦隔型肺底区動脈は, 肺門を先に切離してしまう左上葉切除術では危険であり注意を要するため報告する....
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 32; no. 6; pp. 560 - 561 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2010
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.32.6_560_6 |
Cover
Summary: | 56歳, 男性. 胸部X線異常の精査目的に当院紹介となった. 左S3に径4.5cmの, 内部に空洞を有する腫瘤を認め, 気管傍リンパ節腫大も認めた. 気管支鏡検査施行し, 腺癌と診断した. 左原発性肺癌(cT2aN2M0)に対して胸腔鏡補助下, 胸骨正中切開にて左上葉切除+ND3αを施行した. 術中肺動脈処理の際に, 左主肺動脈の縦隔側より下葉に向かう肺動脈の分枝を認め, A8+10であることを確認し温存し手術を施行した. 術後経過は良好で術後14日目に退院となった. 本症例のような縦隔型肺底区動脈は, 肺門を先に切離してしまう左上葉切除術では危険であり注意を要するため報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.32.6_560_6 |