呼吸器感染モデルにおける気道上皮細胞の免疫学的役割 : 気道上皮細胞由来のケモカインの解析(びまん性肺疾患に対する分子生物学的アプローチ : 間質性肺炎から肺気腫まで)(第24回日本気管支学会総会)

様々なストレス侵襲による生体への炎症・免疫反応が惹起されると局所臓器への特異的白血球の浸潤が必須の現象として生じ, 免疫細胞の浸潤なくしては炎症反応が成立しないことは様々な研究で既に確立されている. ヒト気道上皮細胞を使用した研究でも同様の現象が報告されており, 気道上皮層での免疫細胞の浸潤を決定する因子についてそのメカニズムが解明されている. 炎症反応が認められる状況下では, リンパ球はICAM-1の発現, RANTESの濃度勾配によるchemotaxisにより気道内腔へ移動が制御され, 気道上皮層および内腔での免疫反応を司ることがこれまでの結果で明らかにされてきた. 今回我々はIn Viv...

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Published in気管支学 Vol. 23; no. 8; pp. 738 - 745
Main Authors 梶原, 直央, 中嶋, 伸, 田口, 雅彦, 林, 和, 小中, 千守, 加藤, 治文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2001
日本気管支学会
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Summary:様々なストレス侵襲による生体への炎症・免疫反応が惹起されると局所臓器への特異的白血球の浸潤が必須の現象として生じ, 免疫細胞の浸潤なくしては炎症反応が成立しないことは様々な研究で既に確立されている. ヒト気道上皮細胞を使用した研究でも同様の現象が報告されており, 気道上皮層での免疫細胞の浸潤を決定する因子についてそのメカニズムが解明されている. 炎症反応が認められる状況下では, リンパ球はICAM-1の発現, RANTESの濃度勾配によるchemotaxisにより気道内腔へ移動が制御され, 気道上皮層および内腔での免疫反応を司ることがこれまでの結果で明らかにされてきた. 今回我々はIn Vivoの呼吸器感染マウスモデルを作製し気道炎症時におけるRANTESに焦点を置き, その発現及び役割を免疫学的に解析した. ケモカインは8~10k Da程度の小分子で, 白血球走化・活性化作用をもつ一連の内在性の走化因子の総称であり現在40程度が明らかにされており, 遊走能だけでなくICAM-1等の接着分子の発現を増強することで, より一層, 炎症細胞の病巣への集積を促すことも報告されている.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.23.8_738