21. TBLBにて肺アスペルギルス症と診断し,手術を施行した1例(第139回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)
当院において気管支鏡検査で診断した肺アスペルギルス症を経験したので報告する. 症例は43歳男性. 2011年, 検診の胸部単純写真にて右上肺野の陰影を指摘され, 当院内科へ紹介. 胸部CT上, 右肺上葉に腫瘍陰影を認め, 当初は嚢胞壁に接した肺癌を疑われ, 手術目的で当科紹介となった. この肺野末梢の病変に対し, 術前診断確定のためにTBLBを行った. 採取された組織のHE染色では, 間質に線維化と好中球や単核細胞の浸潤が認められ, 周囲には真菌様構造物が観察され, 真菌感染症を疑った. グルコット染色を行ったところ, アスペルギルス様の菌体を認め肺アスペルギルス症と診断された. これに対し,...
Saved in:
Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 34; no. 2; p. 197 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2012
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.34.2_197_5 |
Cover
Summary: | 当院において気管支鏡検査で診断した肺アスペルギルス症を経験したので報告する. 症例は43歳男性. 2011年, 検診の胸部単純写真にて右上肺野の陰影を指摘され, 当院内科へ紹介. 胸部CT上, 右肺上葉に腫瘍陰影を認め, 当初は嚢胞壁に接した肺癌を疑われ, 手術目的で当科紹介となった. この肺野末梢の病変に対し, 術前診断確定のためにTBLBを行った. 採取された組織のHE染色では, 間質に線維化と好中球や単核細胞の浸潤が認められ, 周囲には真菌様構造物が観察され, 真菌感染症を疑った. グルコット染色を行ったところ, アスペルギルス様の菌体を認め肺アスペルギルス症と診断された. これに対し, 胸腔鏡下右肺上葉切除術を施行した. 肺アスペルギルス症は時として診断・治療など, 対応が困難となる疾患であり, 肺癌との鑑別に難渋することがある. 今回, 気管支鏡検査で診断した肺アスペルギルス症を経験したので, 文献的考察を加えて報告する. |
---|---|
ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.34.2_197_5 |