3.TBNAにて診断を得た中枢型気管支カルチノイドの1例(第80回 日本呼吸器内視鏡学会近畿支部会)

症例は52歳男性, 検診にて胸部異常陰影を指摘され受診, 胸部CT検査にて左下葉に直径約20mm大の結節影がみられ, 有意ではないが縦隔リンパ節も指摘可能であった. FDGPET検査では, 原発巣と縦隔リンパ節いずれも淡い集積がみられた. 外来で行った気管支鏡検査では, basal入口部が腫瘤で閉塞, 擦過細胞診を行ったが, 悪性所見は得られず. 遠隔転移も明らかではなく手術の方針となったが, 術前に縦隔リンパ節の再評価目的でCT検査を行ったところ, 肝に低吸収域像が出現し手術中止となった. 診断のため気管支鏡検査を再度行ったが, 直視下生検では壊死性の組織しか採取されず, 直視下のTBNAに...

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Published in気管支学 Vol. 29; no. 1; p. 62
Main Authors 櫻本, 稔, 田中, 栄作, 井上, 哲郎, 水口, 正義, 前田, 勇司, 谷澤, 公伸, 橋本, 成修, 加持, 雄介, 橋本, 修嗣, 岡村, 真太郎, 田口, 善夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2007
日本呼吸器内視鏡学会
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Summary:症例は52歳男性, 検診にて胸部異常陰影を指摘され受診, 胸部CT検査にて左下葉に直径約20mm大の結節影がみられ, 有意ではないが縦隔リンパ節も指摘可能であった. FDGPET検査では, 原発巣と縦隔リンパ節いずれも淡い集積がみられた. 外来で行った気管支鏡検査では, basal入口部が腫瘤で閉塞, 擦過細胞診を行ったが, 悪性所見は得られず. 遠隔転移も明らかではなく手術の方針となったが, 術前に縦隔リンパ節の再評価目的でCT検査を行ったところ, 肝に低吸収域像が出現し手術中止となった. 診断のため気管支鏡検査を再度行ったが, 直視下生検では壊死性の組織しか採取されず, 直視下のTBNAにて診断した. 生検による組織診よりも, TBNAによる細胞診が診断に有効であった症例を経験し, 検査法の選択の難しさを再認識させられた臨床的に重要な症例であったと考えここに報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.29.1_62_3