1.誤嚥性肺炎および真菌性眼内炎を併発した下咽頭癌の1例(第31回 日本呼吸器内視鏡学会中部支部会,支部会(記録))
67歳, 男性. 下咽頭癌のため頸部郭清術および放射線化学療法を施行後再発のため外来化学療法を施行中であった. 経過中に発熱, 食思不振が出現し当院耳鼻科へ入院となった. 胸部CTで右中葉と左下葉の粒状網状影をみとめ当科に紹介受診した. 気管支鏡検査を実施, 気管, 気管支腔内に食物残渣様物質の貯留がみられた. 右中葉病変の生検でマクロファージの浸潤と線維化をともなう急性, 慢性の混在した炎症像を認め, 誤嚥性肺炎と診断した. 気管支内採痰の細菌培養でEnterobacter cloacaeが検出され, 起炎菌と考えられた. 一方, 血液検査でβ-D-グルカンが高値を示し, 眼底検査で真菌性眼...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 28; no. 6; p. 450 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2006
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.28.6_450_1 |
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Summary: | 67歳, 男性. 下咽頭癌のため頸部郭清術および放射線化学療法を施行後再発のため外来化学療法を施行中であった. 経過中に発熱, 食思不振が出現し当院耳鼻科へ入院となった. 胸部CTで右中葉と左下葉の粒状網状影をみとめ当科に紹介受診した. 気管支鏡検査を実施, 気管, 気管支腔内に食物残渣様物質の貯留がみられた. 右中葉病変の生検でマクロファージの浸潤と線維化をともなう急性, 慢性の混在した炎症像を認め, 誤嚥性肺炎と診断した. 気管支内採痰の細菌培養でEnterobacter cloacaeが検出され, 起炎菌と考えられた. 一方, 血液検査でβ-D-グルカンが高値を示し, 眼底検査で真菌性眼内炎を認めた. 血液培養は真菌陰性であったがカンジタ抗原が陽性を示した. カテーテル類の留置はなく, 腸管あるいは咽頭の癌病変から真菌が血中に侵入したものと推察した. パニペネムおよびミカファンギンの投与により解熱し, 炎症反応の改善を見た. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.28.6_450_1 |