慢性関節リウマチ患者の骨密度に影響を及ぼす全身的,局所的因子の検討

慢性関節リウマチ(RA)患者の骨密度に影響を及ぼす全身的および局所的因子を調べるために,40人のRA患者について,脊椎,橈骨,踵骨の骨密度をDXA法で測定し,また踵骨は超音波法でも測定した.これらの値から性,年齢で補正したZ値を求め,各部位の骨密度について比較した.次に血清中のインターロイキン6,TNF-α,インタクトオステオカルシン濃度,上肢,下肢機能障害の程度,およびステロイド剤と骨密度との関連を調べた.その結果,上下肢機能障害の程度がそれぞれの部位の骨密度と最も密接に関連しており,またステロイド服用者は超音波法で測定した踵骨のstiffness indexが有意に低下していた.以上の結果...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 36; no. 8; pp. 537 - 543
Main Authors 弦本, 敏行, 進藤, 裕幸, 伊東, 昌子, 松本, 智子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本リハビリテーション医学会 1999
日本リハビリテーション医学会
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ISSN0034-351X
1880-778X
DOI10.2490/jjrm1963.36.537

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Summary:慢性関節リウマチ(RA)患者の骨密度に影響を及ぼす全身的および局所的因子を調べるために,40人のRA患者について,脊椎,橈骨,踵骨の骨密度をDXA法で測定し,また踵骨は超音波法でも測定した.これらの値から性,年齢で補正したZ値を求め,各部位の骨密度について比較した.次に血清中のインターロイキン6,TNF-α,インタクトオステオカルシン濃度,上肢,下肢機能障害の程度,およびステロイド剤と骨密度との関連を調べた.その結果,上下肢機能障害の程度がそれぞれの部位の骨密度と最も密接に関連しており,またステロイド服用者は超音波法で測定した踵骨のstiffness indexが有意に低下していた.以上の結果より,RA患者の骨密度の低下には局所の廃用性骨萎縮がもっとも関与し,またステロイド剤は骨の質に影響を及ぼしている可能性が示唆された.
ISSN:0034-351X
1880-778X
DOI:10.2490/jjrm1963.36.537