20.中縦隔に発生し経気管吸引細胞診にて術前診断が得られた胸腺腫の1例(第108回日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)

症例は72歳女性. 平成4年より, 非定型抗酸菌症の診断にて治療を行い, 病状は落ち着いていた. 平成13年より近医通院となっていたが, 平成15年5月胸部異常陰影にて紹介となり, 胸部CTにおいて中縦隔に径3×5cmの腫瘤を認めた. 6月26日, 気管支鏡検査を施行, 内腔所見は異常を認めなかったが, 経気管吸引細胞診にて, 多数のリンパ球を背景とし, その中に上皮細胞を認め胸腺腫が疑われた. 7月24日胸骨正中切開, 腫瘍摘除および拡大胸腺全摘術を施行した. 病理組織検査で, 豊富なリンパ球の中に類円形~多角の上皮細胞を認め, WHO Type B1の胸腺腫と診断された. 組織学的に被膜浸...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 26; no. 4; p. 394
Main Authors 安井, 牧人, 大森, 隆広, 大野, 智之, 大河内, 稔, 富永, 慎一郎, 倉澤, 聡, 三浦, 博太郎, 石川, 節, 諸星, 隆夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2004
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.26.4_394_3

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Summary:症例は72歳女性. 平成4年より, 非定型抗酸菌症の診断にて治療を行い, 病状は落ち着いていた. 平成13年より近医通院となっていたが, 平成15年5月胸部異常陰影にて紹介となり, 胸部CTにおいて中縦隔に径3×5cmの腫瘤を認めた. 6月26日, 気管支鏡検査を施行, 内腔所見は異常を認めなかったが, 経気管吸引細胞診にて, 多数のリンパ球を背景とし, その中に上皮細胞を認め胸腺腫が疑われた. 7月24日胸骨正中切開, 腫瘍摘除および拡大胸腺全摘術を施行した. 病理組織検査で, 豊富なリンパ球の中に類円形~多角の上皮細胞を認め, WHO Type B1の胸腺腫と診断された. 組織学的に被膜浸潤を認め, 正岡分類II期であった. まとめ:胸腺腫の診断に経気管吸引細胞診が有用であった1例として報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.26.4_394_3