11.転移性肺腫瘍にて難治性気道出血の制御に一脚を閉鎖したY型シリコンステントが奏効した1例(第116回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)
症例は68歳男性. 2002年, 下咽頭癌に対して根治手術を施行された. 術後経過観察中, 右肺を中心とした多発肺転移が出現し喀血を繰り返すため, 2006年1月, 当院耳鼻科より紹介となった. 気管支ファイバー所見は, 右主気管支, 右上葉支および中間幹以下に腫瘍の進展を認めた. 腫瘍は出血性が強く, 内視鏡的止血は困難と診断した. 胸部X‐Pでは, 右中下肺野の無気肺および右上葉の腫瘍を認めた. 2006年1月, 永久気管孔より硬性気管支鏡を挿入し, Y型ファイコンステントの右脚を切断したものを留置した. 喀血の制御は良好であったが, bronchial toiletの際, ステントのmi...
Saved in:
Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 28; no. 4; pp. 325 - 326 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2006
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.28.4_325_5 |
Cover
Summary: | 症例は68歳男性. 2002年, 下咽頭癌に対して根治手術を施行された. 術後経過観察中, 右肺を中心とした多発肺転移が出現し喀血を繰り返すため, 2006年1月, 当院耳鼻科より紹介となった. 気管支ファイバー所見は, 右主気管支, 右上葉支および中間幹以下に腫瘍の進展を認めた. 腫瘍は出血性が強く, 内視鏡的止血は困難と診断した. 胸部X‐Pでは, 右中下肺野の無気肺および右上葉の腫瘍を認めた. 2006年1月, 永久気管孔より硬性気管支鏡を挿入し, Y型ファイコンステントの右脚を切断したものを留置した. 喀血の制御は良好であったが, bronchial toiletの際, ステントのmigrationを来たした. 1週間後, 硬性鏡下に右脚閉鎖Y型ステントを留置したのちに, ステントの固定目的に気管からY型ステント内腔を通り左主気管支に至るテーパータイプSpiral Zステントを留置した. 術後はステントのmigrationなく, 右主気管支から左主気管支への血液の垂れ込みは消失した. |
---|---|
ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.28.4_325_5 |