13.気管支ステント端肉芽に対して純エタノール局注療法が有効であった1例(一般演題,第14回 日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会)

症例は55歳男性. 1997年気管原発腺様嚢胞癌による気道狭窄のため, シリコンステントの留置を行った.その後も気道狭窄が進行するため全身麻酔下にシリコンYステントを留置した. 呼吸状態は改善したが留置1年後より進行性の喘鳴と呼吸困難が出現した. 気管支鏡検査で左主気管支のステント端に肉芽形成を認め, 著しく狭窄していた. 局所麻酔下に食道静脈瘤硬化療法の穿刺針を用いて純エタノール計3mlの分割局注を行った. 1週間後の気管支鏡検査で肉芽の消退を認め, 同時に症状も改善した. シリコンステント留置後の肉芽に対しては, レーザー焼灼を行うことができず治療に難渋することがあるが, 本法は安全で簡便...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 28; no. 4; pp. 317 - 318
Main Authors 満田, 一博, 住吉, 秀隆, 岩本, 康男, 在間, 未佳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2006
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.28.4_317_7

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Summary:症例は55歳男性. 1997年気管原発腺様嚢胞癌による気道狭窄のため, シリコンステントの留置を行った.その後も気道狭窄が進行するため全身麻酔下にシリコンYステントを留置した. 呼吸状態は改善したが留置1年後より進行性の喘鳴と呼吸困難が出現した. 気管支鏡検査で左主気管支のステント端に肉芽形成を認め, 著しく狭窄していた. 局所麻酔下に食道静脈瘤硬化療法の穿刺針を用いて純エタノール計3mlの分割局注を行った. 1週間後の気管支鏡検査で肉芽の消退を認め, 同時に症状も改善した. シリコンステント留置後の肉芽に対しては, レーザー焼灼を行うことができず治療に難渋することがあるが, 本法は安全で簡便に行う事ができた. 若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.28.4_317_7