30.急性骨髄性白血病再発患者の気管支粘膜に白苔を伴った隆起性病変を認めた1例(第29回 日本呼吸器内視鏡学会九州支部総会)

症例は47歳, 男性. 44歳時に, 急性骨髄性白血病(M1)と診断され化学療法(IDAraC)にて寛解に至った. その後地固め療法を行い, 診断より7ヵ月後に自家末梢血幹細胞移植を行うも, 再発し, IDAraCおよびHigh dose AraCにて再寛解導入療法を行い, 診断より16ヵ月後に臍帯血移植を行った. 診断より26ヵ月後, 2度目の再発のためIDAraCにより寛解導入療法開始した. 胸部X線上異常は認めなかったが発熱及び白血球12700, CRP932と炎症反応の上昇ののためCZOP, MEPM, FLCZ, ABK, CFPM投与するも解熱しなかった. 治療開始後21日目の胸部...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 28; no. 7; p. 538
Main Authors 田尻, 守拡, 亀井, 克彦, 清川, 哲志, 森松, 嘉孝, 中島, 亮, 相澤, 久道
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2006
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Online AccessGet full text
ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.28.7_538_3

Cover

More Information
Summary:症例は47歳, 男性. 44歳時に, 急性骨髄性白血病(M1)と診断され化学療法(IDAraC)にて寛解に至った. その後地固め療法を行い, 診断より7ヵ月後に自家末梢血幹細胞移植を行うも, 再発し, IDAraCおよびHigh dose AraCにて再寛解導入療法を行い, 診断より16ヵ月後に臍帯血移植を行った. 診断より26ヵ月後, 2度目の再発のためIDAraCにより寛解導入療法開始した. 胸部X線上異常は認めなかったが発熱及び白血球12700, CRP932と炎症反応の上昇ののためCZOP, MEPM, FLCZ, ABK, CFPM投与するも解熱しなかった. 治療開始後21日目の胸部X線にて, 右上肺野に浸潤影を認め, その後次第に同部位に空洞形成をしていき, 胸部CTにても右S2に厚い壁を有する空洞影が認められ抗真菌薬を開始した. しかし, 弛張熱が持続したため, 確定診断目的の気管支内視鏡検査施行した. 右上葉枝粘膜に白苔に覆われた病変を認め, これを生検した. 右S2の陰影に対してはTBLBを施行したところ, 厚い壁を貫いて内腔を生検した. 気管支壁の病理組織では多数の炎症細胞浸潤と血管新生を伴う肉芽組織とヘマトキシリンに濃染する真菌の細胞壁成分を含む壊死組織が認められ, 肉眼的には接合菌が疑われた. 今回気管支粘膜に隆起性病変を呈した症例を経験したため, 若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.28.7_538_3