27.胸膜限局性線維性腫瘍の1手術例(第121回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)

症例は52歳.男性.会社健診で右肺異常陰影を指摘され,当院に紹介された.胸部CTで,右上下葉間に辺縁整で胸膜陥入を伴わない25mmの結節影を認めた.胸部MRIで,T1強調像で低信号,T2強調像で辺縁低信号,内部は軽度高信号を示し,不均一な造影効果を認めた.胸膜腫瘍と血腫を疑い,診断確定・治療目的で手術の方針とした.胸腔鏡(3ポート)でアプローチした.病変は右肺下葉S6領域の臓側胸膜から突出する病変で周囲への癒着を認めなかった.自動縫合器で肺部分切除し,腫瘍を摘出した.病理検査は胸膜限局性線維性腫瘍と診断され,悪性所見を認めなかった.臓側胸膜に発生した限局性線維性腫瘍に対して,胸腔鏡下摘出術を施...

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Published in気管支学 Vol. 29; no. 4; p. 262
Main Authors 木下, 裕康, 原口, 秀司, 宅島, 美奈, 保科, 淑子, 冨田, 剛志, 日置, 正文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2007
日本呼吸器内視鏡学会
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Summary:症例は52歳.男性.会社健診で右肺異常陰影を指摘され,当院に紹介された.胸部CTで,右上下葉間に辺縁整で胸膜陥入を伴わない25mmの結節影を認めた.胸部MRIで,T1強調像で低信号,T2強調像で辺縁低信号,内部は軽度高信号を示し,不均一な造影効果を認めた.胸膜腫瘍と血腫を疑い,診断確定・治療目的で手術の方針とした.胸腔鏡(3ポート)でアプローチした.病変は右肺下葉S6領域の臓側胸膜から突出する病変で周囲への癒着を認めなかった.自動縫合器で肺部分切除し,腫瘍を摘出した.病理検査は胸膜限局性線維性腫瘍と診断され,悪性所見を認めなかった.臓側胸膜に発生した限局性線維性腫瘍に対して,胸腔鏡下摘出術を施行した症例を経験したので,文献的考察を含めて報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.29.4_262_4