24.ロングTチューブを中間気管支幹まで挿入して気道を確保した,腎癌縦隔リンパ節転移による気管,両側主気管支狭窄の1例(第132回日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)

• Published in: The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 32; no. 3; p. 296
• Main Authors: 小熊, 剛, 辻村, 周子, 神山, 育男, 塚田, 紀理, 澤藤, 誠
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2010; 日本呼吸器内視鏡学会; The Japan Society for Respiratory Endoscopy
• ISSN: 0287-2137; 2186-0149
• DOI: 10.18907/jjsre.32.3_296_3

症例は70歳代男性. 呼吸困難を主訴に受診. 18年前に腎癌に対し腎摘出術を受けており, 他院で腎癌再発（両側肺, 縦隔肺門リンパ節）を指摘されていた. 気管支鏡所見では, 左下部気管傍および気管分岐部リンパ節転移が一塊となり下部気管および両側主気管支に浸潤し, 左主気管支の完全閉塞と, 下部気管と右主気管支の狭窄を来しており, 腎癌縦隔リンパ節転移による狭窄症状と診断した. 左主気管支の狭窄解除は困難と判断し, 右肺の換気の維持のため, 下部気管から右主気管支の狭窄解除を目的に, 気管切開を施行した後に肺側端を中間気管支幹としたロングTチューブを挿入した. Tチューブの挿入後, 日常動作での呼吸困難はほとんど認めなくなり, 退院可能となった. 気管分岐部周囲の悪性気管気管支狭窄は対応が難しい場合もあるが, ロングTチューブの挿入が症状軽減に有用であった例を経験したので報告する.