携帯型ガスクロマトグラフを用いたVOCオンサイトバイオロジカルモニタリング法(第29回生物学的モニタリング・バイオマーカー研究会)(地方会・研究会記録)

• Published in: 産業衛生学雑誌 Vol. 44; no. 6; p. 252
• Main Authors: 須那, 滋, 浅川, 冨美雪, 一原, 由美子, 北窓, 隆子, 福永, 一郎, 平尾, 智広, 實成, 文彦
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 公益社団法人 日本産業衛生学会 2002; 日本産業衛生学会
• ISSN: 1341-0725; 1349-533X
• DOI: 10.1539/sangyoeisei.KJ00001039896

血液や尿による揮発性有機化合物(VOC)曝露モニタリングにおいて, 試料保存時のVOC揮散ロスが精度管理上問題となる. われわれは現場で直ちに実施が可能なVOCバイオロジカルモニタリング法の開発を検討してきている. (方法)微量血(60μl)を用いるシリンジヘッドスペース(Sy-HS)法を一部改良し, 血中Benzene, Toluene, Xylene(BTX)の測定条件を定め, 血中Toluene測定へ応用した. 分析器:携帯型ガスクロマトグラフ計(Voyager, Perkin Elmer)(結果)従来のSy-HS法では血液をガラスウールに浸透させた状態で気一液平衡を行ったが, 平衡後の気相BTX濃度安定時間は短かった. 改良法では血液を液滴のままシリンジ内に付着させ, 気一液平衡を行った. このとき, 気相BTX濃度は15分後～120分後までほぼ安定であった. 本法を印刷工場作業者の血中Toluene測定へ応用した. 作業中の個人曝露濃度と血中Toluene濃度は強い相関を示した.