7.血痰を契機に発見された気管腫瘍の1例(第30回 日本呼吸器内視鏡学会九州支部総会)

症例は74歳女性. 甲状腺癌と乳癌の既往があるが, 再発はなかった. 血痰を主訴に外来受診し, 緊急気管支鏡施行したところ, 声門下3cmの部位に有茎性の粘膜面が一部不整で, 血管怒張を認める腫瘤性病変を認めた. 生検では小型均一な核と好酸性顆粒状の豊富な細胞質を有する円柱状細胞が腺管を形成しており, oncocytoma疑いとの診断であった. 2週間後, 精査目的で入院となり, 再度気管支鏡したところ縮小傾向を認めた. 腫瘤茎部にエタノール注入し, 鉗子にて摘除術を施行した. 処置は合併症なく無事に終了した. 組織所見ではoncocyticな上皮が含まれていたが, 細胞異型はなく, sali...

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Published in気管支学 Vol. 29; no. 6; p. 370
Main Authors 須加原, 一昭, 岸, 裕人, 橋本, 晋一郎, 北, 英二郎, 廣岡, さゆり, 福島, 敬和, 岩越, 一, 福田, 浩一郎, 岳中, 耐夫, 有馬, 信之, 千場, 博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2007
日本呼吸器内視鏡学会
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Summary:症例は74歳女性. 甲状腺癌と乳癌の既往があるが, 再発はなかった. 血痰を主訴に外来受診し, 緊急気管支鏡施行したところ, 声門下3cmの部位に有茎性の粘膜面が一部不整で, 血管怒張を認める腫瘤性病変を認めた. 生検では小型均一な核と好酸性顆粒状の豊富な細胞質を有する円柱状細胞が腺管を形成しており, oncocytoma疑いとの診断であった. 2週間後, 精査目的で入院となり, 再度気管支鏡したところ縮小傾向を認めた. 腫瘤茎部にエタノール注入し, 鉗子にて摘除術を施行した. 処置は合併症なく無事に終了した. 組織所見ではoncocyticな上皮が含まれていたが, 細胞異型はなく, salivary gland typeのadenomaが考えられた. salivary gland typeのadenomaは稀であると思われたため, 若干の文献的考察を加え, 報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.29.6_370_3